コミュニケーションの基本とは
県外での仕事は“福井の接遇”を客観的に感じることができるチャンスでもありました。同じ景色も目線を変えると違った一面が見えてくるように、県外で訪れる観光地や飲食店、宿泊施設では、あらためて福井の良さを再発見する事があります。しかしその反面、故郷の伸びしろに気付く事もありました。
「田舎だから堅苦しいマナーはいらないんだよ」 時々そんな声を耳にしますがそれは違います。
親しみやすい接客と慣れ慣れしい接客は紙一重です。SNSでの交流やタブレットを使った非対面の接客等、コミュケーションツールも多岐にわたる時代となりました。そんな今、職場やお店で、また会合や趣味の集まり等で“イラっ”としたり“モヤっ”とした経験をお持ちの方は少なくないのではないでしょうか。
クラッシックバレエと同じように、話し方や振る舞いは基本あってのアレンジです。マナーは相手に対する敬意と誠意を伝える手段のひとつであり、円滑な人間関係を築く第一歩となります。
経験から得た“接遇”
現場で接遇を学び直したいと思い、割烹旅館で接客のお手伝いをさせて頂いた時期があります。お出迎えからご案内、お給仕などお客様と直に接する中で、人が求める事や感じる事はとてもシンプルであるということを痛感しました。
言葉遣いや話し方など“マナーの知識”はバレエでいうところの“技術”です。技術に加え“豊かな表現力”も必要だとあらためて実感しました。対お客様だけではなく仲間とのチームワークを高める為にも、どの様に伝えると相手に喜んで頂けるのか?
役に立つ事が出来るのか?と考えながら行動する事は大切です。コミュニケーションにおいて、これが正解︕というものはありません。心の目で見て考え、言葉や態度で表現する事が大切で、この過程が人の心を掴むのだと思っています。